- introduction -

本サイトについてあれこれ
" はじめに " はお時間のあるときにご一読いただければ幸いです
" 管理人について " 以下はどうでもよいことを書き連ねていますので、興味のある方だけどうぞ
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-------------------------  旅について思うこと・・・(その2)

  海外と聞くと敬遠される人もいますが、そのような方にも少しでも旅の魅力が伝えられればという願いも込めつつ本サイトを制作しています。 敬遠する理由として、未知の土地への不安や恐怖があるのではないかと思います。 また旅行の手配や準備、そして行って帰ってくるまでの一連の流れが分らず二の足を踏んでしまうということもよくあるのではと考えています。 (未経験者には知る由もないのですが、)そのような不安や恐怖が実は取るに足らない些細なことであるのは旅へ出てみれば即座に分ることだったりします。 本サイトがこれらの不安を少しでも和らげ、旅行を計画し実行に移す一助になれば幸いなことこの上ないです。

  テレビ等で見てすでに知っているからわざわざ行かなくても・・・というのは大きな間違いです。 メディアが伝えている情報は非常に内容の限られたものであることに注意しなくてはならないと思います。 有名な遺跡や風景は写真や映像としてしばしば目にする機会がありますが、よく考えるとそこから得られる情報は意外と内容が薄く、また画一的であることに気付きます。 切り取られたその映像のほんの少し横には一体何があるのか、振り返った先にはどういった景色が広がっているのか、映されている建物の裏側には何があるのか、それとも何も無いのか。 極論を言えばそもそもその映像自体が果たして真実なのか?
  心理的な面でも似たようなことが言えると思います。 印象や感想にはその伝え手の主観が多分に含まれてしまうが、果たして伝え手と自分の趣味思考は同じなのだろうか? 何を美しいと感じ、何に喜び、何に悲しみを感じるのか? そもそも美や喜怒哀楽の定義は個人間で一致しているのか? 記者が「美味しい!」といって食べているその料理が自分にも同じように美味しいのか? もしかすると記者は取材の手前無理をしているということも考えられる。 結局のところ自分自身で実際に確認してみる以外にこれらの疑問を解決する術は無いのではと思います。

  また映像からでは視覚・聴覚でしかその特徴を捉えられません。 五感のうちの一つ二つでしかも内容の限られた情報からではその全容を把握しきれるわけも無く、これをもって理解したというのはあまりにも軽率であると言わざるを得ないです。 テレビを見ているときにはなかなか気付きにくいけれど、実際に旅をすると残りの感覚器により得られる情報がその土地や人を理解するためには非常に重要であるということに気付かされるでしょう。
  たとえば、躰にまとわり付くような湿度の高い熱帯独特の空気、刺すような日差しと喉を痛めつけるほど乾燥した砂漠地帯の空気、深呼吸しても十分に酸素を取り込めない高山地帯の薄い空気、 ビー玉くらい大きな雨粒が痛いくらい体を打ち付けるスコール、大粒の雨により蒸し返された草土の匂い、遺跡内部のひんやりと研ぎ澄まされた空気や鼻に突くカビの匂い、 街全体から漂ってくる香辛料の香り、これでもかというくらいスパイスの効いた肉料理やどうにも大味な野菜たち、クセのある香草がたっぷり入ったスープや酸味のきいた独特のビール、煮詰めた砂糖を食べているような甘すぎるスイーツなど、 これらは実際にその地を訪れて始めて気が付くものばかりです。
  視聴覚に関しても同じことが言えます。 首が痛くなるくらい天を仰いで初めて全貌が捉えられる巨大な建造物、特定の場所でのみ歪な反響音を作り出す神秘的な遺跡、 夕暮れの中で遠くのモスクから緩やかにアザーンが鳴り響く幻想的な光景も、その地を訪れていなければそれだけの感動は得られなかったと思います。

  本サイトでもあれこれ突っ込んだところまで記載をしていくつもりで気合を入れていますが、それでも残念ながら旅の全容のほんの一部しかおそらく伝えることはできないと思っています。 長々と文章を書き連ねてしまいましたが、つまり何が言いたいのかというと、本サイトにある情報も鵜呑みにしてそこで終わらせてしまうのではなく、世に数ある体験談のひとつ程度としてとらえ、 最終的には自分で現地に赴き、見て・聞いて・触れて・感じて、自身の感性をもってそのものの真価を見極めてほしいということです。


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