+ アレッポ市街散策

パンとバターとコーヒーというシンプルなものだが、朝食が付いていた
パンが冷えていたのが少し残念。暖めて出すだけでかなり印象が良くなると思うのだが・・・
けど昨日の夕食を抜いていたので、そんなことお構いなしに一瞬で平らげてしまった
食事を済ませて早速街へ繰り出すことに

まずは明日の移動手段を確保しておかなくては、
などと今日の行程を思案しつつホテルを出ようとしていると、ロビーで一人の男が話しかけてきた
黒のスーツをビシッと着こなした恰幅の良いおっちゃんだ。名をワリドといい、どうもホテルで営業している旅行斡旋業の人らしい
まあホテルの中で別段怪しそうでもないし、渡りに船ということでとりあえず話を聞いてみる
「明日、途中いくつかの街を経由しながらダマスカスまで行きたい。ガイドは要らないからドライバーだけでいい」とこちらの希望を伝える
長距離の片道移動なので嫌がられるかと思ったが、快くOKしてくれた
こちらの希望はハマ→ホムス→クラック・デ・シュヴァリエ→ダマスカスだったのだが、 「綺麗な教会があるからここも行くべきだ」とマアルーラも追加してくれた
マアルーラは本当に行って良かったと思える素敵な場所だったので、紹介してくれたおっちゃんにはとても感謝している
あとは価格交渉だが、向こうの提示は二人で120ユーロとのこと
「ディスカウントしてくれない?」といつものノリでとりあえず言うだけ言ってみると「オーケーじゃあ100ユーロだ」とすんなり応じてくれた
相変わらず相場はよく分からないが、まあ昨日の金額と同じレベルだし、これ以上の深追いはしない
前払いで一部支払いを済ませ、明日の待ち合わせ時間だけ再度確認して交渉終了

明日の心配も無くなったところで、心置きなく街へGO!


 中央階段

 ここから上階の客室へと向かう
 右奥のカウンターが守衛室で、ルームキーを預かってくれる
 その右側より光の漏れてきている部屋がフロント
 昨日の夜にやり取りしたおじいちゃんはここにいる
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/6秒 - F/3.5,露出補正:0EV,感度:ISO 320


 レトロな空間

 ホテルの食堂にて
 古風な照明が良い味を出している
 シンプルな造りだが趣がある
 半世紀ほどタイムスリップしたような感覚を覚えた
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/15秒 - F/3.5,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 異郷の酒場

 ホテルに付属したバー
 こちらも映画のワンシーンで使われそうな良い雰囲気を出している
 カウンターの椅子の草臥れ具合がなんとも!
 
 こういうところで飲む酒は、また違った味がするんだろうなぁ・・
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:29mm,速度:1/15秒 - F/4,露出補正:-0.3EV,感度:ISO 320


 旅人の足跡

 あのアラビアのロレンスの直筆サインが入ったレシート
 ホテルのロビーの片隅にさりげなく飾られている
 ワリド氏(車の手配を依頼したおっちゃん)が教えてくれなければ見逃すところだった
 他にもアガサ・クリスティやリンドバーグなど、さまざまな有名人が過去に宿泊したらしい
 
 本当は手前にガラスがあり、背後の照明や自分自身が思いっきり映り込んでいるのだが、
 偏光フィルタのおかげで綺麗に除去できた
 高かったけど買っておいて良かったと思えるひととき
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:24mm,速度:1/1.3秒 - F/3.8,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 仕事人

 旅の手配でお世話になったワリド氏
 予定に入れて無かったマアルーラ観光まで追加してくれたり、
 出発後もドライバーの携帯電話を使って不自由なく進んでいるか訊ねてくれたり
 とても親切にしてもらいました!
 
 非常に仕事熱心な人で、地元の新聞に自分が載った記事を誇らしげに見せてくれたのが印象的だった
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/30秒 - F/3.5,露出補正:-0.3EV,感度:ISO 200 *


 バロンホテル外観

 夜に見たときとはまた印象が違う
 歴史を感じさせる重厚な建物で、アレッポの街並みにも非常にマッチしている
 外資系のゴージャス万歳なホテルもいいけど、こういう味のある建築物も大好きです
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/125秒 - F/5.6,露出補正:0EV,感度:ISO 100


時刻は午前9時、アレッポの朝は意外と遅いようで、まだ人通りもまばらである
街もこれから活動開始といった感じで、まだまだのんびりとした感じを漂わせている
日本のような時間に追い立てられる感じがまるでない。うーん、いいところだ・・・

アレッポはシリアで2番目に大きな街。前回のタドモールより遥かに大きい
街の大部分がイスラム地区であるが、北側に行くとキリスト教徒の地区もある
中東と聞くとイスラムを思い浮かべてしまうが、キリスト教徒も案外住んでいるようだ
またイスラム,キリストと聞くと、仲が悪く相容れないといった印象を抱いてしまいがちであったが、
ここではそういった険悪な空気は全く感じられず、街は平穏そのものだった

とりあえず午前中はキリスト地区を中心に散策し、午後にアレッポ城や大モスクなど南側を巡ることにした
アレッポにはもう1泊するので、今日は次の移動を気にせずのんびりと行動できる
やはり1泊と2泊の差は大きい・・・


 アレッポ市街

 朝の空気が清々しい
 タドモールとは比べ物にならないくらい大きな街です
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/250秒 - F/8,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 アレッポ市街2

 勝手な思い込みで、シリアはもっと荒れ果てたところだと思ってました・・・
 しかし実際は、想像していたよりずっと綺麗で清潔感のある街でした
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:22mm,速度:1/250秒 - F/8,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 アレッポ市街3

 商店街入口
 どこの店もまだ閉まっており、ひっそりとしている
 活気付くにはもう少し時間が必要なようだ
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/200秒 - F/5.6,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 アレッポ市街4

 道幅が広く交通量も激しい街のメインストリート
 緑も多く、大きな建物が建ち並んでいる
 
 日本人はもちろん、他の旅行者自体に殆ど遭遇しない
 本当にその土地の日常に触れているという感じがする
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/200秒 - F/7.1,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 +   +   +   +   + 


 開店前の静けさ

 メインストリートを外れ、脇道へと進んでいく
 大通りの喧騒が遠のき、通りを行く人もまだ少ない
 道の両脇に個人店がずらりと並んでいるが、どこもまだ開店前で木製の戸が硬く閉ざされている
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/200秒 - F/7.1,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 ドアーズ

 ずらりと並ぶ軒下のドア
 木製のシャッターというのは日本では馴染みが無く、ひどく違和感がある
 まるで大きな家具が道路に面して並んでいるよう
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/200秒 - F/7.1,露出補正:0EV,感度:ISO 100


メインストリートから一歩外れると、それまでの喧騒と打って変わって、静かな街並みがそこには広がっている
そして比較的道幅の広いいくつかの街路を基軸として、さらに小さな通路が複雑に入り組んでいる
中には個人宅の勝手口みたいな入口の細道もあり、一見するとその先に道が続いているとはとても思えない
まるでその区画全体が巨大な迷路となっているようである

勇気を出して、不気味に口を開けている小道に足を踏み入れると、別世界へ迷い込んだような錯覚を覚える
昔、「となりのトトロ」で観た、メイが森の中の秘密の通路を進んでいる場面のような、そんな不思議な感覚がある
人の家の敷地へ入っていってしまわないかドキドキしながら進んでいくと、ポッカリと開けた空間に繋がっていたりする
通路は公園に繋がっていたり、教会に繋がっていたり、はたまた「残念でした、またどうぞ」と言わんばかりに大きな街路へ送り帰されたりする

歩き方の地図があれば大まかな所在は把握できるかもしれないが、
ここはひとつ何も考えず、頭を空っぽにして気の向くまま流れに身を任せて歩き回ってみるのも面白いかもしれない


 異界の入口

 広い街路の傍らで、ひっそりと口を開けている小道の入口。街のいたるところにある
 周りの店のドアよりもずっと小さく、注意していないと気付かずに通り過ぎてしまいそう
 もちろん自動車なんかは入ることが出来ない道幅です
 静かながらもまだ明るさのある街路とはまた違った、異質なオーラを放っている
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/250秒 - F/8,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 覗き込む別世界

 背の高い人だと頭をぶつけてしまいそうな高さの門の中をちょろっと覗いてみる
 重厚な鉄製の扉がさらに物々しさを醸し出している
 うーん、ちゃんと続いているんだよね? ・ ・ ・ 道
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/160秒 - F/6.3,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 隣の小道

 道が狭く、建物に挟まれているので陽の光が十分に届かない
 特に怖いとかいう感じはしなかったのですが、やはり少し寂しい雰囲気がする
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/125秒 - F/5.6,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 隣の小道2

 2階部の迫り出した建物がさらに圧迫感を強めている
 こんな細い道の中でもいろいろとお店が存在しています
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/45秒 - F/3.5,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 隣の小道3

 上部が完全に繋がってしまって、ゲート状になっているところも多いです
 ここは比較的道幅も広く、自動車も何とか通っていけそう
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/45秒 - F/3.5,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 迷路道

 ここはかなり道幅狭いです
 この道を曲がった先がどうなっているのか、次の展開が全く予想できません
 
 微妙に曲がっていく道は、方向感覚が狂いやすくとても厄介です
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/90秒 - F/5,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 細道の料理店

 なんとこんなところにレストランが!
 
 ってこんなん地元の人以外、絶対に辿り着けないだろ・・・
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/40秒 - F/3.5,露出補正:0EV,感度:ISO 100




 作業服の男

 道を抜けて、広い公園に出たところにいた工事作業員のお兄さん
 まだ朝方で、今日の仕事の準備をしているところのようだった
 挨拶を交わしたついでに、「写真を撮らせて」って言ったらポーズを決めてくれました
 撮影後の写真のプレビューを興味深そうに覗き込んでました
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:36mm,速度:1/320秒 - F/9,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 ベンチの青年

 同じ公園で、すぐ隣にあるベンチに腰掛けていた青年
 ↑のお兄さんの写真を撮っている最中からこちらをずっと見ていて、次に自分が撮られる気満々だった
 お兄さんの写真を撮り終え別れるとすぐに目が合い、親指で自分を指して「俺も撮れよ」とアピールしてきた
 こちらとしては願ったりなので、もちろん遠慮なく撮らせてもらった
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:62mm,速度:1/250秒 - F/8,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 教会

 再び細道を進むと、今度は小さな広場に出た
 一角には、小さな路地に似つかわしくない立派な教会が静かにそこにあった
 歩き方の地図と照合してみた感じでは、おそらくマロニテ大聖堂だろう
 撮影者:K
 Panasonic DMC-TZ3


 剣を振りかざす聖人

 教会の入口奥に建てられた聖人像
 まさか中東に来てこんなに立派なキリスト教会を見るとは思わなかった
 中東と聞くとイスラムのイメージがあるが、意外と教会も多いです
 間違った先入観がものすごく入りまくりだけど、アラビア文字との組み合わせにどうしても違和感を感じてしまう・・・
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:105mm,速度:1/160秒 - F/6.3,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 教会前の小広場

 広場には、今度はターバンを巻いたアラビア人の銅像がある
 間違った先入観がものすごく入りまくりだけど、キリスト教会との組み合わせに(以下略
 
 ちょっと分かりにくいかもですが、
 後ろの教会とその隣の建物の間にある隙間がここまで通ってきた小道だったりします
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/250秒 - F/8,露出補正:0EV,感度:ISO 100




 流れに乗って

 次の場所を目指し、教会脇の別の小道へと進む
 何か標識に、「こちらへ行け!」と全力で勧められているような気がする・・・
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/125秒 - F/5.6,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 隣の小道4

 外壁と建物が一体化してしまっている
 道を歩いているのに、建物の中へ迷い込んでしまったような錯覚を覚える
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/60秒 - F/4,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 隣の小道5

 もはや自分が建物の内側にいるのか外側にいるのかさっぱりだ・・・
 高い壁による周囲の見通しの悪さが、位置把握をより一層困難なものとしている
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:18mm,速度:1/60秒 - F/4,露出補正:0EV,感度:ISO 100


 冥い道を抜けて

 構図が凄く気に入っている一枚です
 撮影者:K
 Nikon D200
 Nikon AF-S DX VR Zoom-Nikkor ED 18-200mm F3.5-5.6G (IF)
 焦点距離:50mm,速度:1/60秒 - F/4.8,露出補正:0EV,感度:ISO 100







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